2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

キルビル

art

六本木ヒルズに赴く。午後7時を回り益々盛ん也。一気に50何階だかに吹き上げられた勢いで今回は結論を先に述べさせていただくが、この森美術館「MOMA展」の展示空間の貧相さは一体、なんであろう。照明は体育館の如く、床も同じく体育館の如く、周囲のカタ…

美しき死体について

宮内庁近辺やら何やら、似合わないところをぐるぐるたらい回しで汗みどろ。どうなのだ。夏ではないか。すぐ日焼けするのが不愉快である。地黒なんである。日焼けして一層頭が悪そうに見えるのが余計不愉快である。上野までよろよろ辿り着き、東京国立博物館…

都ノ駅家ニテ異形ノ者ニ遭フ事

夜半の東京駅、吐き出されるように新幹線から降り立つと、ホームのゴミ箱に延々長い行列ができて、みな粛々と缶ゴミ弁当ゴミ分別して捨てている。マナー良好と言うべきなのだろうが、ビッグ・ブラザーに馴致されたる風情なきにしもあらず。と思う。先のワー…

西行

夕刻、新幹線に。東京駅でお供のひとつとして「en-taxi」5号を買う。結構箴言あり。「こういう世間話をきちんとできるところが浅田彰の凄いところだ。高貴という形容が似合う、数少ない現存日本人である。愛子内親王が立太子する場合には、教育掛に任命する…

みりたり日和

九段下、俎橋の欄干から桜花で覆い尽くされた日本橋川の川面をなんとなく覗き込んでいると、通りすがりに私の顔をちらりと盗み見、何事かと視線を川に落とす人もある。九段会館の方角から歩いてきたステッキの老人が私の前で足を止め、靖国の桜ですね、と一…

∀組版論

先日の花見の宴で同席したM印刷の「全身営業家」T氏に、「おたくでやってるアクマ書房さんの単行本で『テクストはマチガエル』ってあったじゃないですか。あれ本文の組版、なんか端正でしたよね。書体なんだったかわかります?」と問うと、「そうあれあれ、…

高円の山の桜はいかにあらむ

夜の上野公園の桜は全山に張り巡らされた真赤な提灯に照らされなんとも淫靡な風情で、その灯下にとぐろを巻く人また人、人、人よ。辺り一面薄暗いピンク色の中に蠢く人々の狂態。聞きしにまさる物凄さだ。考えてもみよ。なにしろ酔っぱらいが数十万人いるん…