2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

嗚呼黄眠艸堂主人

小学生の頃は── 学校がいやでいやでならなかつた。なぜ、あのやうに下等で、意地わるな横着な子ばかりゐて威張つてゐる小学校などといふ処に通はねばならぬのかといつも心に嘆息してゐた。 それよりか家にゐてねころんで、夏ならば水羊羹、冬ならば花林糖の…

バラケイ

現役最長老の著名写真家H氏と宴会。久々の大物で緊張するが、気さくなおじちゃんであった。というよりも長年の教育家生活で、人格が完全に教授モードと化してしまったようである。60年代、三島をゴムホースでぐるぐる巻きにした写真とか撮っていた時代にはも…

翁話

近鉄とは河内の国のチームであって、摂津のチームであるBWとは全くその出自・性格を異にしている。かつては和泉のチームである南海が両者のはざまで純粋な大阪を表象していた。翻って考えるに、阪神なるものは全国ブランドであり、関西全土に君臨している超…

一句進上

『九十歳、青山光二が語る思い出の作家たち』第六回 大川渉(「ちくま」2004.6 第399号 筑摩書房刊)より丸ビルの五階にあった中央公論社の入り口近くの応接室である日、青山と担当編集者高梨が、ゲラの仮名遣いのことで言い争いをしていると、永井荷風が入…