暗夜航路

艦内は修羅場だったようだが、その後私もその修羅場に巻き込まれ、意識を回復するとなぜかそこは赤羽の安居酒屋であった。見回すと、私同様奇跡的に脱出した乗組員が数名、横たわっている。他の奴らはどうなったのだろうか。言うまでもなく、艦と運命を共にしたのであろう。毎年毎年、犠牲が積み重なってゆく。黙祷。

近くにいたTの頬を二、三度叩くと、息を吹き返した。どこへいくんすか〜、と呂律が回らない。潜水病であろうか。私も頭痛がひどく、返事をするのも辛い。Tに肩を貸し、ふらつきながら安居酒屋を離脱した。

脱出行の中で見た赤羽の町は、極彩色の戦闘中だった。