会社の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

というわけで、会社納めである(仕事納めにあらず)。一年前も全く同じことを書いている。サラリーマンの日常に変化があってたまるか。

昨年も一人きりになって錯乱し急速潜航中にバルブを開けたりして種々の修羅場を惹起したわけであるが(12/27日記を見よ)、今年は一人きりになった後、叫びながら積み重ねたゲラの山の上を転げ回ろうとしたところに神の御使いか突然来客があり、危ないところで理性を取り戻す。しばし歓談。

平常心を取り戻し、少々遅れて納会会場に赴く。こちらは既にして平常心を失った連中が跋扈している。N印刷営業アベが偏執長に首を絞められて絶命している。頭の両側に徳利をネクタイで縛り付け、横溝正史の小説の主人公になっている奴がいる。クビになった男がデカイ顔をして飲んでいる。ビールを抱えて爆弾三勇士が突撃してくる。おしぼりが迫撃砲のように飛び交っている。何故か知らないおじさんがいっぱいいる。
こういう場に遅れて入ると、妙に冷静になるものである。淡々と飲み、文学的な猥談をかまし、蘇生した営業アベを再び背後から絞殺し、会場を後にする。

深夜、多摩地方は雪になった。