注目すべき人々との出会い

とは神秘家グルジェフの自伝ですが。

<大いなる知恵>を求めて様々な地を旅して、「注目すべき人々」と出会うわけですね。

web上である種の混沌の中に茫漠と触れ合っていた人の輪が、核となるイヴェントを契機に整然たる人間関係になる、という得難い──のかどうかはアヤシイ(笑)──経験を先週末してきたわけである。知人の刊行した著作が提起した問題を語らうというシンポジウムだったわけだが、シンポジウム自体は例によって例の如く、内容そのものよりも、付帯する諸事象の方が興味を誘うのであった。語られている事よりも、その語りに向かう「態度」そのものの方が重要なのですね。書かれてある内容以上の事が言明できるわけはないのだから。その場のエキスが高度に蒸留されているかどうかが、終了後の成功感の有る無しを決めますな。先回のわたくしのヘタレこうえんかい同様、質問と称する所信表明とか、質問と称する起承転結不明の感想文が噴出するのはご愛敬として、全体に場に対する著者の姿勢は興味深いものであった。とか書いても参加してない方にはてんで御不明でしょうが、それはともかく、このイヴェントによって、その書籍を中心に回っていた宇宙の構造が明らかになり、web上でのみ成立していた関係が白日の下に晒されたわけである。顔を見るというのは原初的な体験ですね。初めてお会いするもかかわらず、彼の人はこういった場合このような反応をする、というのが推測できたりするのは妙である。「こんな経験」や「あんな経験」をしているというのが了解事項なのだから、大人の関係でないとやってられないでしょう。お互い。そういう大人の関係というのは気分のいいものである。子どたちよ成長せよ。早めに。と闇に投げかけておく。