長雨に脳髄腐食哉

マツケンサンバがどうのと喧しいが、かつての東映時代劇を見ている目には何ら新鮮味無く、単に王道の継承あるいは狂い咲きではないかとフジワラ編集室相手に熱弁を振るう。旗本退屈男が刀を大上段に振りかぶった途端、ホリゾントの背景が七色の照明で安キャバレーみたいに照らし出され、殺陣というよりも変態日本舞踊の妙に色っぽい殺人劇、カット切り返しの度に衣裳が変わっとるというキモカワイイえげつなさ。しかしこれを金出して見に行っていたのだからスゴイ話だ。

まあ座頭市がタップ踏んだって所詮マキノ映画なのである。ハアハア。印刷所の玄関先で私はここまで一気にまくし立て、缶コーヒーを二人で飲み干し、大魔神が如何に小さいかという一件を検討する。身長10メーターちょいぐらいではリメークできねえなァ。『大魔神たまプラーザに現る』ぐらいだったらなんとかなるのではないかと結論する。見たくない。

帰社後、最近我が故郷で発砲事件が繰り返されるというメールが地元から来ていた。以前本日記でも、我が故郷に於ける米兵銃撃事件について感想を述べたことがあるが、突然ヒラメキ、「政府に対し『拳銃特区』を申請したらどうか」と提案する(メール発信元の友人は現在、市の要路にあって将来を嘱望されている)。「規制緩和の流れの中で、官の管理の元におかれていた銃砲使用を民間に解放し、以て多発する一方的拳銃被害を防止する相互監視体制を築く」とかどうだ。民にできることは民に。返事はまだ無い。