2003-03-01から1ヶ月間の記事一覧

或る手帳

帰宅すると、岐阜のHさんから大層な銘酒が宅配便で届いていた。昨年、戦時中の社会を反映するような印刷資料をぽちぽち集めた事があったのだが、それらの中に、召集された兵士の所持していた軍人手帖というものがあった。軍人勅諭やら戦陣訓やらが印刷された…

本日の会話から

「じゃが軍隊ちゅうのは、一種の保守的な記憶装置だね……。イラク国防軍の高官たちの制服を見て御覧。大戦期の英国軍の軍装そのままだよ」「ふうむ。イギリスがイラクにこだわるのは、言ってみればブッシュに勝手にやられてはたまらんという、かつてこの地に…

戦の記憶

『つげ義春の温泉』(つげ義春著、カタログハウス刊)を読んでいて、福島県の会津地方では彼の訪れた温泉の多くに私自身も逗留していた事に気付き、ちょっと驚いた。というのも、本書中に再録されたほとんどの漫画を読んだことがあったにもかかわらず、その…

伯父さんのこと

art

ジャック・タチ伯父さんのことを知人とともに追いかけるあまり、昨年は伝記まで刊行することになってしまったが、いろいろ仕掛けた結果(と言って私は何もやってないが)、どうも今年は本格的にタチブームが到来しそうな勢いだ。6月には東京を中心に『ぼく…

『娼婦と近世社会』(曽根ひろみ著、吉川弘文館刊)がなかなか読ませる。今年の個人的ベストテンの有力候補である。日本近世史専攻の著者による、日本史プロパーの版元刊行という構えからして、一見よくある江戸ものの遊郭話かと思わせるが、実は中世と近世…

熊、そして青山

新宿伊勢丹まで、知人Oさんの手作りテディー・ベアー展示会に赴く。 Oさんはいなかったが、2万円だの3万円だのという値札が付いていて、しかもほとんど御売約済の札がかかっていて、無知な自分は仰天する。デゥワー。いままで只でもらってしまっていた。い…